2007年8月9日木曜日

吹雪の中で

久住山
ものすごい吹雪、ヤッケがバリバリと鳴る。もう髪の毛は凍りガバガバしている。雪が降るというより地面から吹き付けて目を開けれない。まつげからツララが下がり、時々指で溶かす。
コンパスで九住山を確かめ前進するが。頭は混乱して今朝のことすらぼんやりしている。
久住山雪面今日は1月1日 法華院を5時30分に出発もう4時間以上、朦朧と歩いている。
昨日のお隣のグループはどうしたかな? 
会社の出来事、まだチッチャイ頃の想い、時空が重なり、
混乱の中を黙々と歩き続ける。突然、先頭が止まる。
西千里おかしいコンパスが逆を指しているではないか。ここは北千里、(九住連山に囲まれ盆地状になっている。)もう何時間も同じところをぐるぐる回っていたのだ。
そのときすがもり越えの特徴ある岩がチラッと見えたのだ。
慌てて方向転換、しばらく歩くと入り口が現れる。
雪は深く、ピッケルで安全を確認しながら登る。
ようやく避難小屋にたどり着くが、水筒は凍っており、カラカラと音を立てる。おにぎりもガジガジだ。
ようやく4人が顔を見合わせ、下山ルートについて相談した。雪が深いが岩山がない雨ガ池こえを選んだ。
正解だった。何事もなく下山できた。
これからが大変だった。次の宿泊地湯平温泉まで8時間余の強行軍となった。
休憩なし、食事はガジガジおにぎりを歩きながら頬張る。
頼りは地図、磁石、高圧線、獣道の親指くらいのくぼみをたどって黙々と山越え。
先頭は雪が深くひざ付近まで足がもぐり、負担が大きく交代制でラッセルした。
不思議なことに、リュックが重いとは感じなかった。
異常までの静寂さ、を覚えている。
湯平に到着したときは座り込み、靴を脱ごうとしたのだが脱げなかった。
内側に氷が張りくるぶしのところで固まりになっていた。
やれやれ、温泉につかりながら、、、今日一日を無事過ごせたこと感謝し、改めて山の怖さを痛感した。
もう何十年前の出来事だが、遭難した4人?のご冥福をお祈りします。

久住の写真を使わせていただきました。
Hiker's Page,尾瀬,大分,九重の山   ありがとうございました。

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